1970年代前半、夫一郎が経営していた紳士服メーカー「エドワーズ」の仕事の関係でパリに住んだ私たちは、思いがけない土産物を骨董品店で手に入れたのでした。
それは当時ですら手に入ることは困難で「幻」のメタルビーズと呼ばれる、アールデコ華やかなりし時代、貴婦人たちにもてはやされたパーティーバッグでした。
私はその妖しいまでの輝き放つそのメタルビーズに心奪われ、 コレクターとして 骨董品店を巡る毎日が続いたのです。
1975年帰国。私はどうしても、そのメタルビーズをもう一度この時代の花咲かせたく、夫の協力に支えられながら金属のビーズを開発するという未知の世界に足を踏み入れ、その製作を「ゼロ」からスタートさせたのです。
満足な作品が完成するのには6年という歳月が必要でしたが、試行錯誤の末ついに復元させることができたのです。そのときの感動は言葉では表現できないほどでした。
どうぞ、このすばらしい芸術工芸作品であるメタルビーズを、みなさまと共に輝かせ続けたい。
それが私の願いです。 |